GPM ドイツ軍装甲列車16号

えー、今日のネタはキット内容よりもアイテムの解説が多いので「マイナーアイテム列伝」のカテゴリでも良かったんですが、現物が手元にあるので「レビュー」のカテゴリにしました。
今回のネタは、以前に告知した通りに洋書屋で10年ぐらい前に買ったGPMの「ドイツ軍装甲列車16号」です。
GPMと言えば、完成品の写真が載っている緑の表紙を連想しますが、一昔前は黄色い表紙が目印でした。ちなみに表紙の紙は今の高級感のある厚紙と違い、ペランペランです。

GPM49_1.jpg

キットのタイトルは「PanzerーBetriebwagen」となっていますが、それで検索かけてもこのGPMのキットばっかりが引っかかるので、この車輌ってあんまりそういう呼び方しないんじゃないの?
買ってから約10年、この車輌をわしはドイツ軍装甲列車BP42の砲車だと漠然と思っていたのですが、先日レビューを書こうと思ってよく見たら形が全然違いましたよ。とほほ~ん。
じゃあ、これはなんなのよ? っとことで調べてみたらどうやらBP42よりも後に設計された「装甲列車16号」らしいです。「16号」というのは別に16番目に建造された装甲列車なわけではなく、(そもそもドイツ軍の装甲列車の番号って飛び飛びになってる)何が16号なのか良く分かりませんでした。個人的には15号までは電源を入れたら火花が散って砲塔が飛ぶという鉄人28号的な展開を期待していたのですが、戦時中にそんなことをしていたら責任者の方の首が飛びますね。白黒の実写版鉄人が意外と小さかったのも今ではいい思い出です。
それはそうと、BP42編成は真ん中に装甲機関車が入って、前後に砲車や兵員車がどんどこどんどこつながった「列車」だったのですが16号はそれと異なり、基本的には装甲した(装甲厚10ミリ)ディーゼル機関車の前後に砲塔が乗った車輌単体でした。ああ、それで表紙の絵も一人ぼっちなのか。
実際には16号はこの前後に、鹵獲したソビエト軍のT-34戦車の車体を水平にぶった切って、上半分を砲塔ごと平台の貨車に載せたようなユニークな形の砲車と地雷避けの空の平台車を連結していたようです。
機関車のさらに前後に砲塔と砲員の戦闘室がつくために16号はひどく大柄で、ドイツ軍装甲列車の中では最大のものでした。あまりに長いので前後の戦闘室部分は機関車部分とフレキシブルに繋がれてカーブでは首を振るようになっています。別の言い方をすれば、16号は装甲ディーゼル機関車の前後にひどく小さい砲車がつながっている、とも言えるでしょう。なお、16号に同型の装甲列車はなく、完成したのは16号1輌だけだったようです。
そして、このユニークな装甲列車16号がカードモデルで君の机の上に今蘇る!!

GPM49_2.jpg
GPM49_3.jpg

…………ごめん。調子いいこと言ったけど、やっぱり蘇らないかも。
だって、アップにするとこんな感じなんだもの。

GPM49_4.jpg

手書きですよ。線がヨレヨレですよ。塗りもなんかいい加減で、画像下のほう真ん中のパーツ番号50なんて、豪快に筆が滑ったのもそのままですよ。
なんか、紙の大きさも1枚づつ微妙に違うし。

GPM49_5.jpg

説明書はなんか細々とパーツの間に思いついた用に書きこまれている他は、この図面を見てなんとかしろ、ということらしいです。しょぼーん(´・ω・`)
いやー、20世紀のカードモデルデザイナーって、本当に方眼紙に手で線を引いて筆で色を塗って原稿にしてたんですね。当たり前と言えば当たり前ですが、デジタルで精密な図面をあっさりと引けてしまう今からはちょっと想像のできない大変な手間だったと思います。
ちなみにこのキット、戦車スケールの25分の1ではあまりに巨大になると思ったのか35分の1スケールとなっています。定価はどこにも書いてないのでわかりませんが、洋書屋の1000円の値札が裏に貼ってありました。

さて、ではなぜGPMはそもそもマイナーな装甲列車の中でも特にマイナーな16号を模型化したのか?
ポーランド人の地味魂が炸裂したのか?
実は、装甲列車16号はポーランド、ワルシャワの鉄道博物館に現存するんです。
装甲列車16号は完成後、ポーランドで治安維持の任務についていましたが終戦直前に鹵獲され戦後も1960年代までポーランド軍で使用されていました。1960年代まで装甲列車を何に使ってたんだろう? 国境警備?
その後、除籍となった16号は1974年から博物館に展示されているそうです。
GPMはこれを取材して作ったわけですね。

なおこの16号、時々置き場所が変わるようで写真によって周りの風景や前後につながっている車輌が違ったりします。こっちの写真では別の装甲車輌が繋がっていますが、そっちこそが有名なBP42編成の砲車。ただし、良く見かける1砲塔の前期型ではなく、建造数の少ない2砲塔の後期型です。こんなとこにもポーランドのマイナー精神が。
GPMは時々、古いキットを手直ししてデジタルでリリースしなおすことがありますので装甲列車16号のカードモデルが欲しい、けどこんなヘロヘロなキットは完成するかわからない! 第一手に入らない! という読者様はGPMの他の装甲列車(28センチ列車砲K5Eの25分の1キットなんてのまである)をバンバン購入してGPMの重役に装甲列車ブームがやって来たと勘違いさせよう!
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No title

リンク先の画像拝見致しましたところ、なかなか味があってよろしいですね、この列車。
鉄系はあまりピンとこないのですが、これスクラッチしてディオラマ組んでレールの上走らせて見たくなったような気がしないでもない。

Re: No title

装甲列車はファンタジーのような、はたまた悪夢のようなユニークな形状のものが多くて個人的にはとても興味深いのですが、プラモデルにはほとんどなっていませんでした。ところが、ポーランド人はよほど装甲列車が好き(笑)と見えて、GPMがドイツやソビエトの装甲列車をけっこうな数出しているんですよね。そのうち「装甲列車大特集」みたいな紹介記事もやってみたいです。
展開図公開中
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