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Wagner Models ドイツ帝国 試作戦闘機 Kondor D.6

普段からけっこうテケトーな事ばっかり言ってる筆者のお送りする世界のカードモデル情報。今回紹介するのは小国バンドリカの新興メーカー、マクガフィン・モデルズからの新製品 80センチ列車砲”ドーラ”だ。
ってネタをエイプリルフールに併せてやろうかと思ったのだが、以前に出入りしていたカードモデルのフォーラムでユニオン・パシフィックの巨人機関車、BIG BOYを25分の1(全長1.6メートル)で制作してる人がいたぐらいだから、ドーラの陸モノスケールキット化が堂々発売されることだってあながち「あり得ない」とも言い切れないんでやめておこう。ちなみにドーラは25分の1だと約全長1メートル90センチのビッグキットとなる。

さて、そんな前振りと全然関係なく今回紹介するのはKrzysztof Wagner氏のブランド”Wagner Models”からの新製品、ドイツ帝国 試作戦闘機 Kondor D.6 だ

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わかる。わかるぞ。世の中には何がしたかったのか良くわからないような飛行機が多々ある中、君が何をしたかったのかは痛いほどにビンビン伝わってくる。
だが、それを踏まえてあえて言おう。
それでうまく行くなら苦労しないよ!

この出オチ飛行機を設計したのはドイツ西部、エッセンのコンドル航空機工場(Kondor Flugzeugwerke GmbH)。名前の「Kondor」というのは、設立者が正義のシンボル コンドールマンを大好きだったわけではなくて、鳥のコンドルにあやかろうと名付けられた名前だと思うのだが、この会社詳細な情報が全然見つからないので推測だ。まぁ、ドイツには「アルバトロス」(アホウドリ)って飛行機メーカーもあるからね。
ドイツ語で英単語の"C"が"K"になるってのは良くあることで("corps"(軍団)が"Korps"になるとか)、なんちゃってドイツ風を気取るときにわざとやったりもする。
不思議なのはドイツ軍の4発輸送機Fw-200「コンドル」で、どうして愛称のスペルが「Kondor」ではなく、「Condor」なのだろう。原型機は旅客機なので英語圏への乗り入れを考えていたのか、あるいは1号機の登録記号が「D-ACON」で、胴体を挟んで左の主翼に「D-A」右の主翼に「CON」と書かれていたので、そこからの連想か。もちろん、当時スペインで戦っていた「義勇軍」の「コンドル軍団」も意識していたのだろう。コンドル軍団もスペルは「Legion Condor」で、たぶんこちらはスペイン語での呼称がそのまま定着したのではないだろうか(この辺、資料による裏付けなし)。

コンドル社は1912年に設立された会社で、最初のころは毎度おなじみタウベ機の生産をやっていたようだ。また、飛行士学校も経営していた。
第一次大戦が始まり航空機需要が爆発的に高まるとコンドル社はアルバトロスB.II 戦闘機のライセンス生産を開始。さらに、よせばいいのに「自社開発をしよう!」とハッちゃけて、ヴァルター・レーテル(Walter Rethel)という設計士を雇う。レーテルの細かい経歴は良くわからないのだが、どうもこのコンドル社が航空機設計技師としてのキャリアのスタートだったようだ(当時20代前半)。

しかし、コンドル社のデザインにはあんまりポリシーのようなものがなかったようで、他の航空機メーカーの後を追ってフラフラしているような感じになってしまった。
例えば、コンドルは1917年にアルバトロスD.IIIにクリソツなモノコックボディにフォッカーDr.I からパクった感じの三葉を組み合わせた「Kondor Dreidekker」という戦闘機を設計したが、10月に初飛行してみたらこれが危険なほどに振動してとてもじゃないが使い物にならなかったんで、2ヶ月のやっつけ仕事で上の羽根2枚を取っ払って別の羽根を取り付けて複葉機にしたが、飛ばしてみたら中途半端に残した下の羽根の空力がなんだか変でプロジェクトそのものお蔵入り。
そうかと思ったら、ほぼ平行して開発を進めていたコンドルD.I(複葉)を突然放り出して(どうも搭載予定のエンジンの開発が不調だったらしい)、改造型のD.IIを軍に提出するも、試しに飛ばしてみたヘルマン・ゲーリングに「がんばってるけど性能がクソ」と酷評される。
そこで、コンドル社がD.II に加えた改修が、「上翼の真ん中をなくして上方視界を大幅に改善する」というものだった。
いや、ちょっと待って。その話どこから出てきたの?
例えるなら、発注元から開発会社に「うーん、ゲームは面白いんだけどCPUのストレスが半端なくてバッテリーの消費と発熱がヤバいの、なんとかならない?」とフィードバックが入ったのに、「よし、絵を萌え萌えにしよう!」と決意するようなもんだ。なんだか胸が痛い。
そんなわけで、コンドル社がD.IIの上翼真ん中をエイヤっともぎって作ったのがD.6だった。

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Wagner Modelsショップページから完成見本写真。
ちょっと手ぶれてる写真だが、見事に上翼の真ん中がなくなっていることがよくわかる。
が、それにしても、なんというかヤッツケ感のあるデザインだ。
なお、D.I、D.IIから数字が急に6に跳んでいるが、たぶんD.I、D.IIは軍の呼称でD.6は社内名称なのではないだろうか。Dは「ドッペル(複葉)」のことだろう。

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横から見ると、意外と普通だ。上翼がぶった切れてるのがなければ、普通の飛行機なんだということがよく分かる。やや頭デッカチに見えるが、エンジンは11気筒星型回転式Oberursel Ur.III 145馬力。ドイツ帝国戦闘機の空冷エンジンとしては定番のOberursel Ur.II 9気筒110馬力の拡大版だが、かなり性能が良くなければ量産時にこのエンジンを回してもらのは難しいだろう。

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D.6は試作に終わっているので国籍マークや部隊章はない。試作機なのにローゼンジパターン? とも思ったが、実機写真でもうっすらと多角形パターンが見えるので、他の機体用の布を転用したのかもしれない。

完成したD.6を飛ばしたところ、確かに上方視界は良くなっていたが、ただそれだけだった。むしろ支柱が増えたことで自重が重くなり、さらにどうしても気流が乱れる箇所である翼端が4箇所から6箇所に増えたことで一世代前のエンジン(Oberursel Ur.II)を積んでいたD.IIよりも性能が低下していたので、すみやかにD.6のプロジェクトは放棄された。
じゃあ、どうすればよかったのかと言えば、このぶった切った翼を胴体につなげている部分もちゃんと翼型断面にして羽布を貼れば少しは違っただろう。つまり、D.6はあともう一息でポリカルポフI-153を20年先取りするところだったのだと思うとなかなか惜しい。

その後、コンドル社は「フォッカー D.VIIIのパラソル翼がいいらしい」と聞いてパラソル翼のコンドルE.IIIを開発する。これはそこそこの性能を示し、軍からは量産の内定をもらっていたが終戦で全部御破算になった。
その後終戦に伴いコンドル社は航空関係から手を引き、航空開発で培った木工技術で家具メーカーとなったようだ。これは戦時中の急造航空機メーカーと逆となるのがおもしろい。
1990年ごろにコンドル社は解散し、工場跡地は現在「Kondor-Gewerbepark」という商業地帯となっている。

コンドルでサッパリだった主任設計師のヴァルター・レーテルは終戦後、一時期フォッカーで働いていたが、アラド社が航空機開発を再開する際に招かれ、ドイツ再軍備後最初の戦闘機となるアラド Ar 65を開発。その後バイエルン航空機製造(後のメッサーシュミット社)に移り、主任設計技師として傑作機Me-109の開発に関わった。

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展開図と組み立て説明図のサンプル。テクスチャは布目、木目の質感表現はあるが汚しはない。全体的にシンプルですっきりとした組み立てやすそうな構成だ。大柄で目立つエンジンカウルは輪切り構造と釣り鐘構造から得意な方を選べるようになっているようだ。

Wagner Modelsからリリースされた新製品、ドイツ帝国 試作戦闘機 Kondor D.6 は空モノ標準スケール25分の1で完成全幅約33センチ。難易度表示は特にないが、3段階評価の「2」(普通)といったところか。そして、定価は6ドルでダウンロード販売のみとなっている。
見るからにダメそうな飛行機ファンのモデラーなら、このキットを見逃すべきではないだろう。また、4月からの新社会人モデラーなら、このキットとメッサーシュミット109のキットを机の上に並べることで「はじめのうちは失敗続きでも、仕事を続けていればいつかは大成功をものにできる」と自分を鼓舞するのもいいだろう。



画像はWagner Modelsショップページからの引用。

参考ページ:
https://en.wikipedia.org/wiki/Kondor_D.6
https://en.wikipedia.org/wiki/Kondor_D.7
https://en.wikipedia.org/wiki/Kondor_E.III

https://de.wikipedia.org/wiki/Kondor_Flugzeugwerke
https://de.wikipedia.org/wiki/Walter_Rethel

http://www.airwar.ru/enc/fww1/kondord6.html
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