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注目の最新無料キット2種

先日、所属会社の新年会に参加したところ本格中華のコースが振る舞われ、こんなうまいもんはそうそう食えないぞ、と夢中になって食べていたら最後の最後に炒飯の大皿が登場。完全にペース配分を間違えてすでに満腹だったのに炒飯も美味しくいただいた上にデザートの杏仁豆腐まで平らげて2日間ほど腹具合のヤバかった筆者のお送りする世界のカードモデル最新情報。本日は新年特別企画として、ネットで手に入る無料キットを紹介しよう。

まず紹介するのはイタリアのデザイナー、Enrico Crespi氏のページ、E63papermodelでリリースされたイタリア装甲列車 Ansaldo/Fiat”LIBLI”だ。

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Crespi氏は以前にスーパークオリティでリリースされた第一次大戦のイタリア軍列車砲なんていう、いろんな意味で衝撃的キットを紹介したが、今回も、へー、そうゆーのあったんだー、という感じのイタリア軍装甲列車を堂々リリースだ。

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イタリア軍列車砲もそうだったが、やっぱりこいつも資料が足りないので今回も写真多めでの紹介。完成見本写真は塗装とリベット追加などのディティールアップがされており、フィギュア、ベース、レールなどは付属しない車輌のみがキット内容となる。

1941年3月25日、ユーゴスラビアは日独伊三国同盟に参加し枢軸軍となったが、翌日26日の夜に三国同盟でソビエトと戦争となることに反対した国軍がクーデターを起こし政権は転覆、4月6日にユーゴスラビア-ソビエト不可侵条約を締結したが、条約調印した6時間後にはドイツ、イタリア、ハンガリー、ブルガリア軍がユーゴスラビアに侵攻し、4月17日にユーゴスラビアは全面降伏するという息もつかせぬジェットコースター展開で占領された。
ゲーム「アドバンスド大戦略」(メガドライブ版)のMAP「ユーゴスラビア」ですごく邪魔なことでおなじみなイタリア軍もユーゴスラビアの一部地域を占領したが、ヨシプ・ブロズ・チトー率いるパルチザンによる抵抗運動は熾烈を極めた。
イタリア軍はパルチザンが常に攻撃目標としていた鉄道網を守るために、とりあえずAB40、AB41装甲車に鉄道車輪を履かせた改造車輌を警備のために走らせた(イタリアは主戦場を北アフリカに想定していたので、装甲列車を保有していなかった)が、さらに本格的な装甲列車として1942年から開発が始まったのが”LIBLI”である。
装甲列車を最初っから作るのは大変なので、フィアット鉄道部門のFiat Ferroviariaで1933年から製造されていた鉄道車両「FS ALn 56」レールカーのシャーシを5メートル切り詰めて転用、アンサルドが装甲と武装を施して装甲列車に仕上げ、LIBLI は43年の夏から占領地域に投入された。

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1年で急いで作った車輌にしては、意外とまとまりのいいスタイルだ。武装は砲塔の47ミリ戦車砲x2、45ミリ迫撃砲2門、ブレダ機関銃6丁、ブレダ20ミリ機関砲もしくは火炎放射器となっている(機関銃の数は砲塔同軸機銃を考えると計算が合わない)。
砲塔はM13~M15戦車の砲塔をそのまま載せているように見えるが、よく見ると砲塔後部がM13系列の場合は馬蹄形の曲面となっているのが多面体となっている。ちなみに写真ではわかりにくいが、前後の砲塔はそれぞれ左右(車体中央から見て右)に寄っている。

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迫力のある正面からのショット。LIBLI はベースがレールカーなので車体前後の115馬力ディーゼルエンジンで自走できるが、もちろん他の車輌と連結して運用することもできた。奥に見えるご家族の写真らしきものにも注目だ。いや、個人情報だからあんまり注目しないほうがいいか。
LIBLI は8輌がイタリア軍に引き渡され、さらに8輌が1944年にドイツ軍に引き渡され装甲列車(Pz.Triebwagen)30号~38号となった。と、資料に書いてあるのだが、それでは計算が合わない(30~38なら9輌のはず)。そもそもイタリア降伏後の1944年に引き渡されてるのも変な話だが(資料によっては43年に引き渡され、作戦行動に入ったのが44年となっている)、ドイツ軍はイタリア軍装備車輌も接収して自軍に加えているのでその際に混乱があったのかもしれない。
なお、LIBLI は2輌が現存してトリエステの戦争博物館に展示されているが、なぜかネット上ではこの現存車輌の写真はほとんどみつけることができない。

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組み立て説明書からの抜粋。驚いたことに内部再現モデルとなっており、(内装の一部は推測とのこと)かなり細かい工作が要求されそうだ。キットはタミヤスケール35分の1でのリリースだが、このクオリティならデジタルデータの利点を活かして、いっそ25分の1にスケールアップしてしまうのもありだろう。なお、35分の1での完成サイズは全長約39センチ。

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展開図からの抜粋。Enrico Crespi氏のキットは基本的にホワイトモデル(車内装備の一部だけカラーになっている)だが、このクオリティならいっそホワイトモデルのままでも十分迫力のある仕上がりとなりそうだ。

さて、今回は資料が少なすぎて書くことも少なかったんでもう一点、フリーのキット紹介を連続で。
次に紹介するのはヤマハの超精密ペーパークラフト YA-1 だ。

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日本が世界に誇る2大企業運営無料ペーパークラフトサイト、ヤマハのペーパークラフトからの新キット。ちなみに「2大」のもう片方はキヤノン。というか、プリンタの販促でやってるキヤノンはともかく、ヤマハのこの過剰なサービス精神はなんなんだろう。「世界の希少動物」のペーパークラフトなんて全然ヤマハ関係ないじゃないか。

ヤマハの市販バイク1号となるYA-1は、実は以前に同じYA-1と同様にドイツのDKW RT-125をベースとしたいわば兄弟分に当たるポーランドのSHL M04の紹介時に触れさせてもらったが、まさか公式から「超精密ペーパークラフト」がリリースされるとは、嬉しい驚きだ。

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キットは国産ペーパークラフトのスタンダードとも言える内容。厚紙、針金、フィルムなどのマルチマテリアルを使わずに単一の紙厚だけで仕上げる狭義の「ペーパークラフト」である。ただし、今回はオールドバイクならではのワイヤースポークを糸を貼って再現する「特別仕様」も選べるようになっている。

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東欧式のカードモデルに慣れすぎていると、ノリシロ接着が基本であるために円が多角形となっていたり、ドイツ式展開図(折り線が点線で指示される)なので完成品の表面に折り線が見えてしまうのは正直、残念な点ではある。しかし、このキットは一般的な「ペーパークラフト」を期待するユーザーのためのものなのだから、これらはむしろ「当然」と言うべきだろう。マルチマテリアルに慣れているモデラーならデジタルデータであることを利用して折り線を消すなどの加工を施し、ブレーキケーブルを這わせるなどの徹底的なディティールアップを施すのも一つの楽しみ方だろう。なおマフラーの曲線部がザクの動力パイプみたいになってるのも気になるは気になるのだが、ここはけっこうな太さがあるのでワイヤーなどで置き換えるのは難しい。金属丸棒やチューブを自在に曲げる、それこそバイク作るような機材が手元にあるのなら別だが、どうしても気になるようなら仕上がったものにパテを盛って削り、シルバーで塗ってしまうのが近道だろう。

ヤマハの超精密ペーパークラフト YA-1 は、スケール表記を見つけられなかったが、たぶん4分の1で完成全長約50センチという迫力のサイズ。腕に自信のあるモデラーなら3分の2に縮小して6分の1アクションフィギュアと合わせるのもいいだろう。また、兄弟分SHL M04のMODELIKキット(9分の1)とスケールを統一して、それぞれの違いを確認するのも楽しそうだ。

*写真はそれぞれEnrico Crespi氏のページ、ヤマハのページからの引用。
LIBLIの展開図、組み立て説明書はキットからの引用。

* LIBLIのキットはE63papermodelのDownloadのタブからダウンロードできますが、データの置いてあるファイル共有サイトは(これそのものは別に違法ではない)操作を誤ると独自のダウンロードツールをインストールしようとしたりしてそれなりのリスクがあるため、あくまでもダウンロードは自己の責任においてお願いいたします。また、ダウンロードはフリーですが作者は著作権を放棄していません。データは個人での利用のみが認められており、販売などはできません。

参考ページ:
Ansaldo/Fiat”LIBLI”
https://it.wikipedia.org/wiki/Ansaldo_Libli
ロシア語版も参考とした。
http://www.modellismopiu.it/modules/newbb_plus/print.php?forum=179&topic_id=136343
イタリアの模型フォーラム。Crespi氏が制作過程を投稿しており、細かいディティールを見ることができる。

YA-1
https://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/papercraft/ultra/ya-1/gallery/
ペーパークラフトコンテンツの中にあるヤマハのYA-1詳細ページ。非常に多くの情報が詰まっており、オールドバイクファン必見。
美しいギャラリーページはディティールアップの参考としてチェックしておきたい。
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テーマ : 模型・プラモデル・フィギュア製作日記
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