Modely-vystřihovánky チェコ テレビ塔 Žižkovský vysílač (前編)

今週も金曜、土曜と出勤して来週は仕事納めが30日となりそうな、久々に忙しい筆者のお送りする世界のカードモデル情報。しかし、これ以上更新休止してると、年明けぐらいには「そういえば、なんかカード? モデル? 忘れたけど紙工作のことをどうとかこうとか、しつこく書いてたブログがあったようななかったような…………まぁいいか」と読者の記憶からきれいさっぱり消えてなくなってしまいそうなので、今回は次のネタの触り部分だけでもアップして、年の瀬の忙しい時期だってのに無駄に自己主張しておこうという魂胆だ。

今回紹介するのは当コーナー初登場、チェコのブランド「Modely-vystřihovánky」からの新製品、チェコのテレビ塔 Žižkovský vysílač だ。

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子音と補助記号ばっかり並ぶチェコ語は発音が全然わからない。しかも、ポーランドのメーカーと違ってチェコのメーカーは英語ページが準備されてないことが多いので自然と紹介を敬遠しがちでごめんなさい。
今回の版元、「Modely-vystřihovánky」(直訳は「切り抜き模型」)は公式サイトへ行くとわかるがメインはカードモデルのネットショップで、オリジナル商品の出版もしている、といった感じのようだ。
チェコのカードモデルメーカー大手、「BETEXA」も、他社商品も扱うカードモデルショップが自社オリジナルも出版している、というスタイルなのでチェコではよくある形式なのかもしれない。
あ、そうだ、忘れないうちに書いておこう。以前に「消えてしまって行方不明」と書いた「Best Paper Models」のキット達だが、先日BETEXAのショップサイトを見に行ったら復活していた。紹介しそこねてしまった1分の1パンツァーファウスト60は印刷版が302チェココルナ(約1350円)、ダウンロード版が225コルナ(約1000円)となっている。BETEXAのショップページはリニューアルされて英語ページもできたので、これまで手が届きにくかったチェコ製キットを購入するための窓口となってくれるかもしれない。

さて、BETEXAの話は置いておいて、今回のキットの説明に移ろう。
名前の「Žižkovský vysílač」というのは、直訳すると「ジシュコフのテレビ塔」。「ジシュコフ」というのは塔が立っている地名で、チェコの首都プラハの(地理的に)中央にある地区。地区の名前はチェコが世界に誇る隻眼の英雄「ヤン・ジシュカ」からつけられている。フス戦争で女性や子供まで含めた民衆軍を率いたジシュカは厚板で装甲したワゴン(馬車)の銃眼から原始的なマスケット銃を滅多打ちしまくるという戦術で正規軍のエリート騎士団の突撃を何度も粉砕した軍事的天才であった。

ジシュコフテレビ塔が着工したのは1985年。完成したのは1992年で、7年もかかった。東京タワーが57年着工、58年完成で工事期間1年半なのに比べるとこれは長い(ジシュコフテレビ塔の高さは216メートルだから、別に極端に高い建物ではない)。
スカイツリーでも2008年着工2012年完成で工事期間4年だから、それに比べてもまだ長い。なんでこんなにかかったのかはよくわからないが、1980年代といえば共産圏が崩壊しつつあった時期なので、その関係なのかもしれない。
基本的な構造はコンクリートを充填した金属の筒3本からなり、うち1本がアンテナ塔として他2本よりかなり高くなっている。それぞれの柱に3層に並ぶ箱型デッキのうち、上の層が放送設備室、中層は展望台、下の層にはレストラン、カフェが入っている。また、2013年からはVIP向けのラグジュアリーホテル1室が開業し、プラハの夜景を見下ろす贅沢な一晩が送れるようになった。
ジシュコフのテレビ塔には特にスカイとかツリーとかの名前はついていないようだが、非公式にはそのヒョロリと細長いスタイルから”ミロシュ・ヤケシュ(着工当時のチェコスロバキア第一書記)の指”、またはロケットのような形から”バイコヌール”や”パーシング(アメリカの中距離弾道弾)”などとも呼ばれたそうだ。

それでは、ジシュコフテレビ塔の姿をキット完成見本写真で見てみよう。

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スラリとしたスタイル。台座として足元の付属施設も再現されているのが嬉しい。
今でこそ観光名所の一つとなっているジシュコフテレビ塔だが、建設当時は地元の反感はかなり強いものだったようだ。建設のためにユダヤ人墓地の一角を潰したのもマズかったが、なによりもその姿が「醜い」と不評だった。
そうかなー、近代的でカッコイイと思うけどなー、と思ったが、遠景の写真をみたら考えが変わった。

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Wikipediaより引用。周辺の建物の屋根越しに見るジシュコフテレビ塔。
あー、うん。これはひどい。
古風な町並みの中に突然そびえ立つ金属タワー。景観保護もなんもあったもんじゃない。なんかさ、こう……レンガ積み風にテーパー付けた多角形にするとかさ、いっそ古風なトラス構造にするとかさ、なんか方法はなかったんだろうか。旧共産圏の人ってのはどうしてこう、やたらアバンギャルドな建造物を建てたがるんだろうか。

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もうちょっと近づいてデッキ部分のディティールをみてみよう。これはレストランやカフェが入っている一番下の層。窓はテクスチャ表現で内装はないようだ。 …………ん? なにが柱についてんだ、これ? 子供がハイハイしてるようにも見えるけど……

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ハイハイしてる子供だよこれ!
なにこれ怖い! さすが偉大な不条理小説作家フランツ・カフカを産んだ国チェコだ、わけがわからない。
なぜテレビ塔に重力を無視した巨大な赤ん坊が這い登っているのか。その謎は、まぁぶっちゃけ後編でも大して明らかにはならないが、後編を刮目して待て! できれば年内にもう一回更新したい!

キット画像はModely-vystřihovánkyショップページからの引用。
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