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Дом Бумаги イギリス モニター艦 HMS "General Wolfe"・中編

久々の好天の週末、ずるずると後回しになっていた庭木の消毒をやっと済ました筆者のお送りする世界のカードモデル最新っぽい情報。今回もウクライナの「Дом Бумаги」からの新商品、イギリス モニター艦 HMS "General Wolfe"の紹介続き。

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前回は戦艦「サラミス」の主砲塔を載せたモニター艦「アバクロンビー級」を就航させたイギリス海軍が、もっとモニター艦作ろうと思って旧式戦艦「マジェスティック級」から主砲塔を下ろしたよ、ってところまで。

マジェスティック級は横須賀の記念艦「三笠」と同世代の前ド級戦艦なんで、砲塔は前後1基づつの2基。これを4隻から下ろした4隻 x 2砲塔 = 8砲塔で新モニター「ロード・クライヴ級」8隻が建造されることとなった(ロード・クライヴ級を建造するためにマジェスティック級の武装を撤去したのか、逆にマジェスティック級を武装撤去した砲塔があったのでロード・クライヴ級を建造することになったのかは、資料からではよくわからなかった)。
かつてゲーム「空軍大戦略」で「足りなくなったらどうしよう」と大量に戦闘機を生産しまくって、もはや使えない旧式戦闘機を各機種数百機づつ抱えたままゲームを進めていた筆者としては、何基か砲塔分解して予備砲身にした方がいいんじゃない? とか余計な事を思ってしまうが、よく考えたらもともと予備砲身は何本かあるんだろうし、マジェスティック級主砲のBL12インチMkVIII海軍砲はイギリス海軍前ド級戦艦の主砲として広く使われているんだから万が一腔発などで砲身を破損して足りなくなったら、そんときゃテケトーな艦の武装を撤去しちまえばいい。

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Wikipediaからの引用(この項表紙画像以外全て同様)で、あんまり関係ないけど、マジェスティック級の次に建造されたカノーパス級戦艦のネームシップ「HMS カノーパス」のBL12インチMkVIII海軍砲。Wikipediaでこの砲を検索すると、真っ先に出てくる写真がこれ。なんでヤギが乗ってるのかは説明がないが、たぶん艦のマスコットなのだろう(出典の「Popular Science Monthly」誌、88号はオンラインで公開されているがこちらにも特に記載がない)。

新たに建造されたロード・クライヴ級は排水量約6000トン、全長は約100メートル。戦艦サラミスの時は砲塔だけがあったのに対して、今回わざわざ旧式戦艦の砲塔下ろして新型艦に載せるんだったら、旧式戦艦のまま使えばいいんじゃない? と思われがちだが前回も書いたように英軍の旧式戦艦砲塔のモニター艦は敵艦の装甲をぶちぬくための戦艦絶対殺す艦ではなく、対地攻撃用なので陸に近づけるよう喫水の浅い船体に載せ直すために船体を交換したのだと考えると理解しやすいだろう。なお、これらモニター艦の装甲は野砲による反撃に耐えるため、最大152ミリとなっていた。

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ロード・クライヴ級2番艦、「HMS ジェネラル・クロフォード」。1915年撮影。インペリアル・ウォー・ミュージアム所蔵。よく見ると後ろにもう一隻、同型艦がいるようだがちょっとはっきりしない。ちなみに艦名の「クロフォード将軍」というのはウェリントン卿のもとでスペインに上陸(半島戦争)し、シウダー・ロドリーゴ要塞攻略戦で戦死したロバート・クロフォード将軍。ロード・クライヴ級の各艦は基本的に18世紀半ば~19世紀初頭の軍人から名前が取られている(6番艦、HMS プリンス・ルパートのみ、17世紀の人物)。

なにしろ主任務が陣地砲撃なんていう地味なもんだったので派手な活躍もなく、8隻のロード・クライヴ級は1隻もかけることなく戦争を生き延びたが、戦争終盤になって8隻のうち3隻がさらなる悪ノリ進化を遂げることになった。
HMS ジェネラル・ウルフ 、 ロード・クライヴ 、 プリンス・ユージーンの3隻が18インチ砲を搭載することになったのである。ミスタイプではない。紛うことなき18インチ砲、メートル法表記で46センチ砲である。あの大和型戦艦と同じ口径である。まじか。
というか、モニターに搭載するってことは余剰なのだが、46センチ砲がどうして余剰になっているのか。
実は、イギリス海軍には46センチ砲搭載艦というのがあった。俗に言う「ハッシュ=ハッシュ・クルーザー」である。

ハッシュ=ハッシュ・クルーザーというのはなんか変な名前だが、「ハッシュ=ハッシュ」というのは別にスーパーファミコンのフランス製疑似3D描画RPGゲーム「ドラッケン」の挨拶(「ハック!ハック!ドラッケン!」)ではなくて、内緒話をする時に静粛を促す擬音(日本語で言うと「し~っ!」ってやつ)のことだ。やっぱり変な名前だ。
これは喫水が浅い超高速艦に大口径の主砲を積んだ艦で、何がしたかったのかといえばバルト海を渡ってデンマークの付け根辺りに大軍が上陸してビックリしてるドイツ軍の後ろでベルリンを占領してカイゼルを逮捕、一気に大勝利ウハウハ大作戦のために建造された。

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1917年に撮影されたハッシュ=ハッシュ・クルーザーの1隻、 HMS フューリアス。ロマンである。っていうか、一つの作戦のためにわざわざ大型艦を建造するって、イギリス海軍的にもアリなんだろうか。
このクレージーだヨ!全員集合!!な作戦のために、18インチ砲単装2基の「フューリアス」、15インチ(38センチ)砲連装2基の「グローリアス」「カレイジャス」が建造された。

これは新しいことをドンドン思いついちゃう天才ジョン・フィッシャーの発案(かのドレッドノート級戦艦の発案者でもある)だったが、同様に天才的に思いついたガリポリ上陸作戦が大失敗に終わりフィッシャーが失脚したために無事バルト海侵攻作戦も中止になり、そのために作っちゃったフューリアスも無用となってしまった。
最終的に天才フィッシャーの作ったハッシュ=ハッシュ・クルーザー3隻はすべて武装を撤去され、高速性を生かして世界初の航空母艦へと改装される。

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1918年に撮影された半分空母のフューリアス。後部飛行甲板(写真では飛行船が着艦している)に着艦した艦載機は艦橋脇の通路を通って前部飛行甲板へ移動し、再発進に備える。飛行甲板のど真ん中にでかい艦橋が建ってて使いにくくないかって? 使いにくいよ! 当たり前だろ!

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そんなわけで艦橋まで撤去して、空母最終形態になったフューリアス。1941年撮影。最終形態になるとサッパリとシンプルになると相場は決まっているのである。
(後編に続く)

キット表紙画像はДом Бумаги公式サイトからの引用。


参考ページは後編にまとめて掲載予定。
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