ドイツ軍軽戦車 PzKpfw. I Ausf. A 2種

記録的な大雪が繰り返した冬もようやく終わりが近づき、日本では春の息吹が聞こえ始めてきた。東欧カードモデル界もそろそろ春の新作ラッシュの季節。今回も残る寒さを吹き飛ばすべく、HOTな話題を伝えていこう。
まず紹介するのはポーランドanswerからリリースされたドイツ軍軽戦車 PzKpfw. I Ausf. Aだ。

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「HOTな話題」と言っておきながら、出てきたのが去年の夏にリリースされた商品というあたり、ブログ管理者のヤル気を疑う展開だが、answerの公式ページって基本的に商品情報が表紙一枚しかないのでずっとほったらかしにしてあったというのが内情だ。そもそも、answerってカードモデルから撤退しなかったっけ? と思う読者もいるかも知れないが、筆者もそう思う。何が何やら。
今回、なぜかOrlikのショップページに組み立て説明書と展開図のサンプルがあったので、なんとか記事にしてみよう。

1号戦車は名前こそ「戦車」となっているが、実際には装甲は薄く武装は機銃2丁のみ、とかなり貧弱な性能で本格的「戦車」とは言いがたかった。下手すりゃ日本軍の九二式重装甲車(装軌装甲車)と撃ち合っても負けかねない性能だ。
それもそのはずで、1号戦車はもともと兵器開発、生産、運用などの経験を積むための「訓練戦車」だったのだ。
ところが、何を思ったのかドイツ軍はこの車両を1500両も作ってしまった。大規模な機動戦力の運用について訓練したかったのかも知れないが、それにしても多い。日本軍の主力戦車だった九七式中戦車「チハ」の総生産数が2000両強だから、「お前は訓練戦車で戦争する気か」と言いたくなるが、もっとマジメな戦車の「3号戦車」「4号戦車」の生産が遅れたために、ドイツ軍は本当にこの訓練戦車で大戦に突入してしまった。
ポーランド戦では戦略的奇襲効果もあり、それなりに活躍できた1号戦車だったが、それ以降は苦戦が続くようになり対ソ戦開始ごろまでに前線から引き上げられ、訓練や治安維持、砲塔を外しての牽引車両や弾薬運搬車として使われた。

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完成見本写真がないので組み立て説明書でイメージを膨らまそう。
今回answerがキット化したのは誘導輪が接地している「A型」。このタイプは約800両が生産されたが、エンジン出力がたったの57馬力というビックリするような非力な数字だったのでエンジンを100馬力に強化、それに伴い車体が延長された「B型」に生産は切り替わった。
なんだかアッサリとした組み立て説明書は不安を抱かざるを得ないが、当キットのデザイナーはMADELIKやWAKでM3ハーフトラックなど連合軍補助車両のデザインを数多くこなしているMariusz Kita氏。クオリティには問題ないだろう。
個人的にはMariusz Kita氏は、「モデラーどの! 新しいM3ハーフトラックのキットが出来ましたぞ!」と言いながら「ひーらりひらひら」と不思議な踊りを踊るイメージがあるのだが、これは単なる一日本人の勝手な思い込みなので本人にはどうか伝わらないよう願いたい。

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展開図サンプルはなんだかとってもビリジアンでこれまた心配になるが、海外のカードモデルフォーラムに上がっていた製作記を見ると、どうやら実際には普通のジャーマングレーらしい。
表紙通りなら、マーキングは白十字が特徴的なポーランド戦時のもの。ちなみにこの白十字は目立って目立って仕方ないので、黒十字が中に入る御存知のパターンにすぐに書き換えられた。

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answerからは2014年の新作として、88ミリ対空砲Flak18とかヘンシェル重トラックとか、気になるアイテムのアナウンスが打たれているが、どうせまた表紙写真しか情報が出てこないので続報には期待しないほうがいいだろう。

さて、今回は有名車両なので説明は控えめ、完成見本写真もなくて時間が余ってしまったのでもう一品、勢いに乗じて紹介しておこう。次に紹介するのは正真正銘のHOTな新キット、ポーランドOrlik社の新製品、ドイツ軍軽戦車 PzKpfw. I Ausf. A だ。

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それではみなさんご一緒に。
同じじゃねーか!

いくら「戦車模型の定番」、ドイツ軍の車両だからって、どうしてこんなものが半年で2キットもリリースされるんだ。
ポーランドで「一号戦車、立ちぬ」という映画でも公開されたのか。見たいぞ。
とはいえ、全く同じでは後発のOrlikも気が引けるのか、意外なアレンジでのキット化となった。

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見づらい写真で恐縮だが、なんとOrlikのキットは内部再現キット!
しかも、デザイナーは21世紀型カードモデルの祖である(と当サイトが勝手に信じている)、Marian Sobel氏。あのHalinskiの素晴らしい内部再現タイガーをデザインした御仁である。
ポーランドの誇る有名デザイナー2人のカードモデルが、それぞれの持ち味をいかしたタッチで味わえるのならアイテム被りも大歓迎だ。

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なお、テクスチャは表紙写真でもわかるようにドイツアフリカ軍団のもの。ここでも丸被りにならない気遣いがあって嬉しい。

まさかのアイテム被りとなったドイツ軍軽戦車 PzKpfw. I Ausf. A。スケールは両方共陸モノ統一スケール25分の1。難易度はanswer版が3段階評価での「2」(普通)。Orlik版には表記はないが内部再現なのでそれなりの難易度を覚悟しておこう。そして定価はanswer版32ポーランドズロチ(約1000円)、Orlik版60ズロチ(約2000円)と、複雑さに即した気持ちいい価格設定となっている。

これまで1号戦車はカーモデルではキットに恵まれず、昔々にCardModel-Modelikが1号戦車B型をリリースしていたが、これは入手困難だし、入手できたところで完成させるのはさらに困難だろう。また、以前に「SuperModel」というところがA型をリリースしていたという情報もあるが、これも入手困難。今回の2キット連続リリースは、この意外な穴を埋めるアイテムとなりそうだ。
手堅くanswer版を組むか、じっくりとOrlik版に取り組むか。今回のアイテム被りは嬉しいバッティングとなった。もちろん、1号戦車ファンのモデラーなら両方共購入し、作り比べてみるのもいいだろう。



画像はOrlik社ショップサイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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