SZK ポーランド製乗用車 Polski Fiat 125p

今週は例のごとくバージョンアップでやらかしてしまった上に、開発室でゴロ寝したら寒くて風邪を引いたっぽいのだが、ここはひとつカードモデラーっぽくホットな新製品情報で風邪を吹き飛ばす勢いで頑張ってみたい。
本日紹介するのは、ポーランドのブランド「SZK」の新製品、SZK ポーランド製乗用車 Polski Fiat 125p だ。

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Marek Dworaczek氏の個人ブランドであるSZK(Świat z kartonu)は、以前に世界初の蒸気機関車「ペナダレン号」のキットで紹介したことがあるが、その後も破城槌12世紀ポーランドの村落アバークロンビー級モニター艦など、進行方向の全く読めないキットの数々を精力的にリリースしている(SZKのアバークロンビー級モニター艦については、相互リンクしていただいている紙模型静岡工場様に購入レビューが掲載されています)。
いや、このメーカー、他にもYak-9Tとか、Fw190A4みたいに普通のアイテムもリリースしてるのだが、普通過ぎる上に完成写真が表紙画像の1枚しかないので紹介しようがないのだ。


「ポルスキ・フィアット」という名前だけ聞くと、気まずいほどにフィアットそっくりの車を西側の口さがない連中が揶揄しているように聞こえるが、これは制式なブランドであった。
1932年、ムッソリーニ政権下の中央統制経済でイケイケだったイタリアは自動車産業もなかなか好調で、ポーランド政府もそれにあやかろうと国営企業PZLの自動車部門がフィアットとライセンス契約を結んだ。
しかしせっかく買ったライセンスだったが、1939年にポーランドは戦争に敗退。PZLの各工場もドイツに接収されポルスキ・フィアットのブランドも一旦消える。

戦後、ポーランド自動車産業は再び立ち上がり、1951年には「これからはモータリゼーションの時代ぜよ」とFSO、すなわち「Fabryka Samochodów Osobowych」(乗用車工場)という、そのまんまの名前の工場が建設された。
とりあえず工場はできたけど、乗用車の設計はまだノウハウがなかったんで、親分のソビエトからGAZ-M20「ポベーダ」のライセンス生産権を譲ってもらい「FSO M-20”ワルシャワ”」の名前で生産を開始する。
もちろん、独自の車両の開発プロジェクトも立ち上がり、1957年には排気量750CCの小型車「FSO シレーナ」の生産が始まった。
(MODELIKからは「ワルシャワ」、「シレーナ」のキットがリリースされているので、ポーランド製乗用車ファンのモデラーならぜひ押さえておきたい)

ここまでは順調だったFSOだが、なぜかここで発展がパタリと止まった。「ワルシャワ」は正直、丸みをおびた戦前風のデザインだったが、1960年代中盤になっても、まだこれを作っていたのだ。日本で言えば日産自動車が130系の二代目セドリックを市場に送り出そうとしていたころだ。
市場経済なんてどこ吹く風の共産政権でも、これはあなた、いくらなんでも時代遅れでしょう、ということになったが、どういうわけかさっぱりデザインする気を失っていたFSOは手っ取り早く海外からライセンスを買うことにした。
とはいえ、頼りのソビエト親分は未だに1956年設計のGAZ-21「ボルガ」という設計年代以上に時代遅れな感じのセダンを今だにわっしょいわっしょい作ってるんであてにならず、FSOは昔のよしみで再びイタリアのFiatと提携することとなりポルスキ・フィアットのブランドが復活した。
こうして生まれたのが、Fiat125のポーランドライセンス生産型、ポルスキ・フィアット 125pである。

ポルスキ・フィアット125Pの外見上のオリジナルとの大きな差は、オリジナルで特徴的だった四角い4灯のヘッドライトが丸い4灯に変更されたことで、これにより日産車みたいな外見となっている。
また、実は内部は125pの前の生産型である1300/1500のシャーシがそのまま転用されており、ちょっとだけグレードダウンしていた。そのため、オリジナルのフィアット125は1600ccエンジンだったが、ポルスキ・フィアット125pでは1300ccと1500ccの2クラスとなっている。
なお、レース用にオリジナルと同じ1600ccエンジンを積んだ「モンテカルロモデル」、1800ccエンジンを積んだ「アクロポリスモデル」も少数が生産されている。

ポルスキ・フィアット125Pはとにかく頑丈で故障が少なく、労働者にも手が届きやすい安価な乗用車として大量に生産が行われた。ユーゴスラビア、ハンガリー、チェコスロバキアなどの東欧圏のみならず、イギリスやアイルランドにも輸出が行われ「最も安い車」として知られていたという。ただし、リーフスプリングサスペンションの乗り心地は悪く、車内は「洞窟のように」狭かったそうだ。
しかし、いくら評判が良かったからって、1967年に完成した乗用車を民主化される1991年まで作り続けるってのはやりすぎだ。
その間、1972年には本家イタリアでのフィアット125の生産終了、1983年にはライセンス契約が切れ「フィアット」のバッチを外して「FSO 125p」に名前が変更になっている。その結果、ポルスキ・フィアット125Pは総計約145万台という多数が生産された。

ポーランド民主化後、FSOは海外メーカーとの提携を模索したが、60年代のフィアットを延々と作っていたFSOではなかなか好条件に恵まれず、アメリカGM、韓国デウとの提携を経て、現在FSOはアメリカGMの傘下となったGMデウからの委託生産を行なっている。

と、いうわけでポーランドの定番セダン、「ポルスキ・フィアット125P」がカードモデルになって登場だ。
でも完成写真は表紙画像の一枚しかない。

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テクスチャは汚しのないスッキリしたタイプ。塗装はパッと見パトカーのようだが、ワルシャワ・ミリシア(民兵隊)の車両。クロームメッキ部分やクリア部分をマルチマテリアルで自作するとクオリティがぐっと上がりそうだ。

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組み立て説明書はマリモデの古いキットなんかで見かける懐かしい書式。難易度表示はないが、あまり複雑な内容ではないようだ。車内は窓から見えるキャビン部分のみ再現で、エンジン、トランクなどは再現されていないことが読み取れる。

SZK ポーランド製乗用車 Polski Fiat 125pは陸モノ標準スケール25分の1で完成全長は約17センチ。定価は19.9ポーランドズロチ(約650円)となっている。
ポーランド乗用車マニアなら、「ワルシャワ」、「シレーナ」など他のFSO車と一緒に並べておきたい。また、その懐かしいスタイルから、父親の運転する日産車で観光地に出かけ、ドライブインの自動販売機でハンバーガーを買った幼き日の記憶に思いを馳せるのもおもしろそうだ。


画像はSZKサイトからの引用。


*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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