MODELIK 宇宙ロケット マーキュリー・アトラス MA6

本日は予告通り、ポーランドMODELIK社が2010年にリリースした宇宙ロケット マーキュリー・アトラス MA6を紹介する。

ずどどーん。
Mercury okladka

昨日紹介したマーキュリー・レッドストーンでアメリカはついに有人宇宙飛行を達成したわけだが、その飛行は時間にしてわずか15分の弾道飛行。一方、競争相手のソビエトは初っ端からガガーリンが2時間かけて地球を一周して帰ってきたのだから、これではフルシチョフおじさんでなくてもソビエト優位を認めざるを得ない。
これでは悔しいので、隣の発射台に飛び込む発射台間弾道弾のレッドストーンではなく、隣の大陸まで飛んでいっちゃう大陸間弾道弾のロケットで有人人工衛星を軌道に乗せる計画が立てられ、それに選ばれたのが本格的大陸間弾道弾(ICBM)、アトラスミサイルであった。
レッドストーンは陸軍の開発で、アトラスは空軍の開発だが、これは「ロケットミサイルは自分で弾が飛ぶ大砲!」と主張する陸軍と、「ロケットミサイルはロケットで飛ぶ無人航空機!」と主張する空軍との対立により生じた混乱の結果である。だいたい、どこの国でもロケット開発というのは担当がなかなか決まらずにモメにモメるもので、予算を分捕りあったり、それぞれの組織が秘密を明らかにしてくれないので一つの国で二度も三度も同じシステムを開発しなきゃならなくなる。これは、戦略ミサイル軍が設立される前のソビエトでもそうだったし、JAXAに統合される前の日本でもそうだった。
しかし、アメリカの場合はゴチャゴチャやってるとソビエトとの差が決定的になる、という危機感があったために、陸軍、空軍とも宇宙開発にロケットを提供してくれた。良かった良かった。
アトラスロケットにマーキュリー宇宙船を積んだマーキュリー・アトラスは4号までが空荷で打ち上げられ、データが収集されているが、4号ではついに宇宙船は地球を一周している。そして、5号では毎度おなじみのチンパン君に御搭乗願っての生命維持装置の確認が行われ、MA6号でついに宇宙飛行士ジョン・グレンが乗り込む。「ジョン」はもちろん、サンダーバード5号に乗せられていつも宇宙に置き去りのかわいそうなジョン・トレイシーの名前の由来になっている。
1962年2月20日、ジョン・グレンを乗せたMA6は打ち上げに成功、5時間かけて地球を3周して帰還。
当時、ソビエトはすでにボストーク2号でチトフ飛行士が1日と1時間の飛行記録を持っていたので、新記録というわけではなかったが、この飛行によってアメリカも本格的宇宙時代へと突入したのである。
なお、ジョン・グレンは1998年、77歳でスペースシャトルに乗り、9日間宇宙に滞在している。タフな人だ。
どうも、宇宙ロケットの話になると、おっちゃん話が長くていけねぇや。
では、気を取り直して、完成品写真を見てみよう。

Mercury-A Fot.1

昨日のレッドストーンと、長さ、というか高さではそれほど極端な差はないのだが、アトラスは全体がずどんとグラマラスなフォルムとなっている。横に並ぶブースターのために、スカートがピロピロと左右に張り出しているのもなかなかキュートだ。

Mercury-A Fot.2

マーキュリー宇宙船そのものは、当然、前回と差はない。ちなみにアメリカのロケットのボディは白いイメージがあるが、本当はアトラスの表面はシルバー(写真はMA9)で、あれは燃料の液体酸素を入れると表面が氷結して白くなるらしいですよ。あと、前回「発射台がないのは寂しい」と書いたが、写真を見てやっぱり発射台はなくてもいいや、と思った。あんなパイプの塊、紙じゃ作れないよ。

Mercury Ark.3

テクスチャはマーキュリー・レッドストーンと同じく、当然汚しのないタイプ。
あっ、良く見たらマーキュリー宇宙船のパーツばっかりだ。これじゃアトラスだかレッドストーンだかわからない。でも、左ページの展示台のパーツに支えが3本あるからこれはアトラスの展開図だ。この展示台、完成見本では茶色っぽい色だけど展開図ではグレー。本当はどっちなんだろう。

Mercury Rys.1

組み立て説明書はグレーで面を塗ったライン表現で、クローズアップ方式のようだ。レッドストーンは単純な構造だったが、アトラスはなかなか複雑な構造であることがこの図からも読み取れる。

アメリカの宇宙時代を切り開き、月着陸のための重要な1ステップに貢献したMODELIK社の宇宙ロケット マーキュリー・アトラス MA6は、スケールはレッドストーンと同じ50分の1で全長は約60センチ。難易度は5段階評価の「3」とレッドストーンと同じになっているが、これは「4に近い3」と考えた方がいいだろう。
定価も、24ポーランドズロチ(約800円)とちょっとだけ高くなっている。なお、レーザーカット済み心材用厚紙は12ズロチ(約400円)での同時発売だ。
二日に渡ってMODELIKのロケット2機種を紹介したが、これらはお値段も手ごろだし、構造も極端に複雑ではなく、かと言って全く簡単に組みあがってしまうわけでもない。カードモデルを体験してみたいモデラーは、この辺のキットを試すことで、自身にとっての「大きな一歩」を踏み出すのもいいだろう。



画像はMODELIK社サイトからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。

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