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Orel ソビエト ディーゼル機関車 Щэл-1

先週末、居眠りしてる時にうっかり舌を噛んだようで口の中が真っ赤になっていて驚いた筆者のお送りする東欧の方の新しかったりそうでなかったりする製品紹介。今週は些事で時間が取れなかったために短縮版というか、以前の記事でうっかり紹介忘れてた商品の紹介で失敬。
今回紹介するのはウクライナOrel社から2017年にリリースされていたソビエト ディーゼル機関車 Щэл-1 だ。

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Щэл-1は以前の記事で紹介した通り、世界初の実用ディーゼル・エレクトリック式機関車。「実用」って言っても3年ぐらい使ってみたら故障が多すぎて、後は単なる「移動発電所」として使われていた。

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表紙写真(サンクトペテルブルクのロシア鉄道博物館に保存されている実車の写真から描き起こされたもの)では赤い車体だが、Orelからリリースされた今回のキットはグリーンの車体となっているようだ。この塗装が現役時代の塗装なのかはちょっとわからない。窓やルーバーはテクスチャ表現となっている。

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実際にレイアウトへ載せてみるとこんな感じ。縮尺はHOスケールとなっているが、1520ミリロシア広軌のHOモデルなのでレール幅は17.5ミリのはずで、16.5ミリ標準軌をベースに設計されている日本のHOスケールのレール(80分の1「16番」)には乗らないはずなので注意が必要だ。

Orelからリリースされている世界発の実用ディーゼル・エレクトリック式機関車、Щэл-1はHOスケール87分の1でのリリース。難易度は3段階評価の「1」(易しい)、そして定価は122ウクライナフリヴニャ(約450円)となっていう。商品説明ではどうやら2輛セットとなっているようだが詳しい内容がわからなかったので「かもしれない」程度で断言は避けておこう。あいかわらず無責任なブログである。
当商品はロシア広軌のディーゼル機関車ファンのモデラーなら見逃すことのできない一品と言えるだろう。
来週は通常更新のつもりなので、また見に来ていただけると幸いです。


画像はOrel社サイト公式フォーラムからの引用。

*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。
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Reimers Modellbaubogen ドイツ 練習機 Siebel Si-204D

長らく使ってたマウスが不調になって時々突然に反応がなくなってしまい、そうなるとPC本体に刺しなおさなければならないのに嫌気がさしてワイヤレスマウスを新調したところ、これがすこぶる快調でご機嫌な筆者のお送りする世界の最近の方のカードモデル情報。本日紹介するのはドイツのブランドReimers Modellbaubogenの新製品、Siebel Si-204Dだ。

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当ブログ初登場となるReimers Modellbaubogen(ライマース紙模型)はKarl-Harro Reimers氏の個人ブランド。ドイツ南部、シュツットガルトの近くにあるエスリンゲンを拠点としているようだが公式ページのどこにも来歴がなく、氏のプロフィールもよくわからない。
なのでいつごろから活動しているのかもわからないのだが、今回リリースされたSi-204Dが24作目となっている(いくつかカタログ落ちしているキットがある)。
キットの構成は内装やディティールよりも全体のスタイル、フォルムを楽しむキットのようだが現物を未入手のため詳しい内容は不明。完成写真などを見る限りではドイツの超老舗「schreiber-bogen」を洗練したような雰囲気に見える。

Reimers Modellbaubogenは第二次大戦前後の航空機をメインにリリースしている(一部、戦後ジェット機もある。またわずかながら建造物もリリースしている)が、24作目でドイツ軍のなんだかどうでもいい感じの練習機ジーベルSi-204Dが出てきてしまうことでもわかるように、このブランドを特徴づけているのが、なんといってもそのラインナップの独特さだ。
例えば、ジーベルSi-204Dと同じ大戦中ドイツ軍機でリリースされているのがこちらのアラド Ar-232B

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アラド Ar-232Bは20機しか作られなかった輸送機で、箱型のボディは後部ランプを開いて直接車両が乗り入れる事ができるなど先進的な部分もあるのだが、不整地への強行着陸に備えて腹部に小さい車輪が並んでいるという不思議なスタイリングだった。

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キットには同スケールの8トンハーフトラックもついてくるので、このように乗り込むシーンを再現することも可能だ。
スケールは50分の1、定価24.90ユーロ(約3000円)。

Reimers Modellbaubogenからは、大戦機では他にメッサーシュミットMe-109G4もリリースされているが、これもただのMe-109G4ではなくてスペインで戦後生産されたイスパノ HA-1112(ロールスロイス社製マーリンエンジンを積んで機首が下膨れになったHA-1112-M1L)のエンジンをダイムラーベンツDB605に積み替えて先祖返りさせた登録番号D-FWMEの機体、「赤の7番」(Rote 7)を再現しているという捻りっぷりだ。

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まぁ、これなら尾翼の鉤十字をどうしようか悩まないでいいから気軽と言えば気軽だ。スケールが24分の1というビッグスケールとなっているので、バンダイの24分の1 Bf109-E と並べて飾るのもおもしろそうだ。定価も8.9ユーロ(約1100円)とお手頃。

なお、カタログにはポーランド戦で「うわっ…こいつの性能、低すぎ…?」と関係者が衝撃を受けて早々に第一線から引き上げられたユンカースJu-86も載っているが、これは爆撃機型ではなくまさかの戦前民間型であるB型でのリリース。

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こうやって見ると波板貼った四角い胴体だったユンカースJu-52に比べるとJu-86はスラリとした洗練されたボディラインで、戦争が始まらなければJu-52の後継機として世界中を飛び回っていたかもしれない。スケール50分の1、定価12.9ユーロ(約1500円)。なお機体のシルバーは特色印刷である。

Reimers Modellbaubogenは戦前ドイツ旅客機に力を入れているようで、他にも世界初の全金属製旅客機ユンカース F.13(45分の1、5.9ユーロ(約700円))、小型高速旅客機を目指したユンカース Ju-60(Ju-160とのコンパチキット。50分の1、11.9ユーロ(約1400円))、川崎航空機がライセンス生産を行い朝日新聞も使っていたドルニエ”コメット”の主翼を延長したタイプであるドルニエ“Merkur I”(50分の1、8.9ユーロ(約1100円))など各種を取り揃えている。

このように興味深いアイテムを取り揃えたReimers Modellbaubogenのラインナップ。ここからは大戦機、戦前ドイツ旅客機以外で着目すべきキットをピックアップしていこう。
まずはなんといっても見逃せないのが第一次大戦のドイツ帝国戦略爆撃機、ツェッペリン・シュターケンR.VI

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なんと50分の1スケールで完成全幅85センチという大迫力のキット。このスケールではプラモデルも含めて他にキットがなく、48の第一次大戦機プラモデルと並べることでこの機の巨大さを実感したければこのキットを見逃すことはできないだろう。定価は29.8ユーロ(約3600円)。

一転して戦後のジェット機から一品。垂直離着陸できて超音速で飛行できる戦闘機という、夢のような性能が期待された実験機 EWR VJ 101

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まぁ、このカタチを見りゃだいたいわかると思うが、左右両翼端の2機づつのエンジンをピボットで回して真上にドドドドと上昇していく予定だった。が、推力が全然足りなかったもんだから胴体内にもう2つ離陸用エンジン足して6発エンジンでどっこらしょ、と浮き上がった。一応、水平飛行に移ってマッハ1.04を達成し、看板の「超音速垂直離着陸機」というのは達成したのだが、超音速飛行のための細い胴体と垂直離着陸のための燃費の悪さは抜群の相性の悪さで、「どうもこれはものになりそうにない」ということで無事お蔵入りした。

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エンジンを回して水平飛行中の姿。カラーリングと相まってちょっと東宝特撮っぽいデザインでもある。コクピットの後ろにある扉がパカっと開くと中に離陸用エンジンが入っているが、よく考えたらこの状態では同体内のエンジン2基は文字通りのお荷物だった。50分の1、8.9ユーロ(約1100円)。

お次はタウベをデザインしたイゴ・エトリッヒが「キャビンを密閉したら快適じゃね?」という思いつきをそのままカタチにしたら大変なことになったエトリッヒ・ルフトリムジン

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うん、言いたいことはわかる。言いたいことはわかるんだが、いや、そうじゃないだろう、とも思う。1912年に2機作ってみたが、オーストリア=ハンガリー軍が第一次大戦で使用したらしい。第一次大戦のオーストリア=ハンガリーの航空戦力はロシア帝国の航空戦力に並ぶ魔界である。
24分の1、13.9ユーロ(約1700円)

基本的にReimers Modellbaubogenのラインナップってこんなのばっかりで、うっかりすると全部ピックアップしてしまいそうなので次で最後にしておこう。トリを務めるのはフォッケ=ウルフの夢が悪夢になったフォッケ=ウルフ F 19”エンテ”だ。

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飛行機界隈ではいまや常識となりつつある「先尾翼機=カッコイイ」の法則を見事に打ち破って見せたスタイリングに注目だ。鼻の頭に割り箸載せる宴会芸みたいな尾翼もなんとも言えない。さすがにフォッケ=ウルフのデザインなんでちゃんと飛んだのだが、墜落事故を起こして(墜落原因は先尾翼スタイルとは関係なかったようだ)フォッケ=ウルフ創業者の片方、ウルフさんの方が死亡してしまうという大失点でプロジェクトはたち消えになった。50分の1、7.9ユーロ(約950円)。

こんな独創的なアイテムを取り揃えたReimers Modellbaubogenからリリースされたドイツ練習機 Siebel Si-204Dはスケール50分の1で完成全幅約43センチ。紙模型で一般的な「空モノスケール」に比べるとミニスケールだが、48スケールのプラモデルと組み合わせる楽しみのあるスケールと言えるだろう。難易度は5段階評価の「4」(やや難しい)、そして定価は13.8ユーロ(約1700円)となっている。
第一次、第二次世界大戦のみならず戦間期のルフトハンザや、時期に関わらずドイツの変態飛行機に興味のあるモデラーなら、この独特のラインナップを誇るReimers Modellbaubogenは間違いなく注目メーカーの一つとなることだろう。

キット画像はReimers Modellbaubogen公式ページと、一部はドイツのカードモデルショップ「fentens Papermodels 」から引用した。



*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。

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MODELIK ポーランド ディーゼル機関車 S200・その5

毎年体重が赤信号で怒られている健康診断、去年は「大変順調に体重が減っています。この調子でがんばりましょう」と言われたのだが、実は社内親睦会で食べたレバーにあたって腸炎を起こし健康診断直前まで一週間体内がノンストップ直通運転でトイレに籠もってました、とは言えなかった筆者のお送りする世界のカードモデル最新情報。本日もポーランドの名門MODELIK社の新製品、ポーランド ディーゼル機関車 S200の紹介。

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前回は共産圏の入れ替え用ディーゼル機関車の決定場、チェコスロバキア スコダ社製のT669(ソビエト名称「ЧМЭ3」)が登場したところまでだったが、年を跨いで続いたソビエト連邦ディーゼル機関車史なんていう、まぁどうでもいいような連載もいよいよ今回で最終回だ。

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Wikipediaからの引用で(この項、表紙写真以外全て同様)記念すべきソビエトが購入した一号車”ЧМЭ3-001”で1991年に引退した車両。後の生産型とは細かい点で差異があるそうだが、パッと見ほとんど差異はわからない。

ЧМЭ3はなにしろ共産圏随一の品質で知られるチェコ工業界が仕上げた製品だけあって性能はゴキゲン、信頼性はバツグン、と思わず韻を踏んでしまうほどの高性能だったもんだから共産圏外も含めて問い合わせは多く、スコダはアルバニア(61輛)、インド(12輛)、イラク(100輛) 、シリア(25輛)およびポーランドにЧМЭ3をどんどん輸出した。
もちろん、チェコスロバキアが自分で使っちゃいけない理由はないんでチェコでも採用されていたが、なぜかチェコ国内でもT669はソビエト名称のЧМЭ3の名称で使用されていた。ちなみにチェコではキリル文字ЧМЭ3のラテン文字表記である「ČME3」からの連想で、「マルハナバチ(čmelák)」の愛称で呼ばれているそうだ。
なお、ソビエト以外の国々は線路幅がロシア広軌ではなくヨーロッパ標準軌だったので、スコダではわざわざ標準軌に修正したЧМЭ3が生産されていた。この標準軌ЧМЭ3、ソビエト名称に変更はなかったようだが同じ名前で軌間の違う機関車生産してたら絶対に間違えるんで、スコダではヨーロッパ標準軌車両を「T669.0」、ロシア広軌車両は「T669.5」と区別していた。

そんなわけで大ベストセラーとなったЧМЭ3の生産は1994年まで続き、最終的にに7459輛が生産された(7853輛とする資料もある)。
なお、あんまりバンバンЧМЭ3が売れるんでチェコではスコダ工場とは別に、SMZ (Strojárske a metalurgické závody) 工場でも347輛を製造しているが、これらライセンス生産車両は海外に輸出されずにチェコ国内で使用されたようだ。この347を前記の7459に足すと7806で異説の7853輛に近い数字になるが、チェコ語版Wikipediaでは「7853+347が生産数。これはディーゼル機関車の単一車種生産数としては世界最大」と書いてあるのでどこかでなにか取り違えがあったようだ。

なにしろ大量に建造されたЧМЭ3は現在でも多数が現役だが、やはり50年前の設計の機関車をそのまま使い続けるのはいろいろとしんどい。そのため各所を改装している車両も多いが、チェコのCZ LOKO社ではЧМЭ3に徹底的な近代化改修を行っている。

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CZ LOKOでの改修を受けてカッチリとした今風のスタイルになったЧМЭ3。ベラルーシのミンスクで撮影された車両。
この改修ではЧМЭ3のボディと運転台、ディーゼルエンジン、発電機、伝達系が交換されている。いや、それもうЧМЭ3の車台使った他の機関車じゃないか、と思うのだがこの改修型ЧМЭ3はウクライナで「ЧМЭ3П」、リトアニアで「ЧМЭ3МЕ」、ラトビアで「ЧМЭ3М」という名前で運用されており、あくまでもЧМЭ3のバリエーションという扱いらしい。

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こちらはフィンランドのオウルで撮影されたЧМЭ3近代型(これもCZ LOKO製)。こちらは「Dr18」の名前で呼ばれている。フィンランドはオリジナルのЧМЭ3を購入してないので、どこかの国の中古車両を改装したもの(おそらくチェコで使用されていた車両)を購入したようだ。
ちなみにフィンランド国鉄はロシア広軌1520ミリよりほんのちょっと広い1524ミリという謎の軌間を採用しているが、これはもともとロシア広軌だったのを戦後に微妙に修正したものらしい。フィンランド的にはソビエト軍の鉄道車両がフィンランド国鉄を利用できないようにしたかったのかもしれないが、実際には1520と1524は誤差程度なので軌間変更を行わずに相互交通できる車両も多いようだ。

これら王道の近代改修とは別に、変わったところとしては2003年にロシアでЧМЭ3-179とЧМЭ3-602がバッテリー機関車ЛАМ (локомотив аккумуляторный маневровый)に改造されている。
これはディーゼルエンジンを降ろして、代わりにニッケル・カドミウム蓄電池をドーンと積んだもので充電した電力だけで走るという大胆なものだった。

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モスクワで撮影されたЛАМ-1(もとЧМЭ3-179)。見た目は意外と変わっていない。
電化していなくても電気で走れる斬新な機関車にも思えるЛАМだが、改修が2輛で終わったということは、まぁそういうことなんだろう。
他にはウクライナで数輛のЧМЭ3がパンタグラフ付きに改造されたようだが、これは意図がよくわからない。

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ドニエプロペトロフスクで撮影されたЧМЭ3-1265。電化、非電化が混在してる区間で使うようなのだろうか。ちなみにこのパンタグラフは着氷を落とせるように振動機能があるそうだ。

最後にЧМЭ3の後継車両について書いておくと、1985年にスコダ社は ソビエトからの指示でさらに強力なЧМЭ5を開発している。
ЧМЭ5はЧМЭ3の出力1350馬力に対して出力2000馬力を発揮する予定で、もちろんその分車体も大きくなり、長さ約20メートル(ЧМЭ3:17メートル)、重量168トン(ЧМЭ3:123トン)という巨人機関車だった。ついでに居住性まで改善して、運転室には冷蔵庫やお湯が出るシンクまであったという。
比較用に旧国鉄のDD51形ディーゼル機関車(649輛生産)の数値を上げておくと、DD51は出力1000馬力、長さ18メートル、重量84トンだから、狭軌と広軌の差はあるにしてもやっぱり入れ替え用機関車に2000馬力はオーバースペックだと思う。

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烏山山あげ祭号を牽引するDD51。2006年撮影。「カラス・ヤマヤマ・アゲマツリ号」って変な名前だな、と思ったら「カラスヤマ・ヤマアゲマツリ号」だそうだ。

ЧМЭ5が2000馬力がを達成したことに気を良くしたソビエトは「2000馬力機関車を2000年までに2000輛生産しよう!」と気前よくぶち上げたが、数年後にはソビエトもチェコスロバキアもなくなった。

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ドネツクの鉄道博物館に保存されているЧМЭ5-0008。ЧМЭ3に比べると、カッチリとした平面で構成されているようだ。
ЧМЭ5は12輛が生産されたが、このドネツクの車両が唯一の現存車両である。車両番号が「0008」と4桁になっているのが、本気で2000輛生産するつもりだったんだな、と思われてなんとも切ない。

入れ替え用ディーゼル機関車の決定番、スコダ社製ЧМЭ3のポーランド国鉄型S200のキットは陸モノ標準スケール25分の1で完成全長69センチの堂々たるサイズ。難易度は書いてないが5段階評価の「4」(難しい)以上といったところか。定価は120ポーランドズロチ(約4千円)で、100ズロチ(約3300円)の レーザーカット済厚紙セットが同時発売となる。このオプションパーツは滑り止めパターンなども彫刻されており当キットを本格スケールモデルとして仕上げるのなら見逃せないオプションとなっている。
当キットはソビエト入れ替えディーゼル機関車ファンのモデラーにとっては、まさに待望の一品と言うことができるだろう。MODELIKにはこの勢いでЧМЭ5とか改修型ЧМЭ3とかもどんどんリリースしてかつての勢いを取り戻してもらいたいものである。いや、やっぱりもっと戦車とか飛行機とか売れ筋のものをどんどんリリースしてもらいたいものである。

キット表紙画像はMODELIK社サイトからの引用。



*定価はあくまでも現地で購入する場合の値段です。日本国内で購入する場合には輸送費などを考慮し、2倍~3倍程度になるとお考えください。

参考ページ:
https://ru.wikipedia.org/wiki/Тепловозостроение_в_СССР_и_России

https://ru.wikipedia.org/wiki/Тепловоз
ソビエトディーゼル機関車史

https://ru.wikipedia.org/wiki/ЧМЭ3
https://ru.wikipedia.org/wiki/ЧМЭ5
それぞれの項目のロシア語、チェコ語、英語ページを参考とした。

http://www.skd.cz/
スコダ財閥の鉄道車両部門、SKD Trade株式会社。スコダ系列には「ŠKODA TRANSPORTATION」という会社もあってそっちも鉄道車両を作っているのだが、どういう関係なんだか良くわからない。

http://locomotives.com.pl/Diesels/S200.htm
ポーランドの鉄道車両についての情報サイト、「STANDARD-GAUGE LOCOMOTIVES IN POLAND」内のS200のページ。ポーランドの鉄道車両について確認したいことがあれば、このサイトにくれば大抵のことはわかる。

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本日一身上の都合により更新休止させていただきます。
またのお越しを心よりお待ちしております。

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MODELIK ポーランド ディーゼル機関車 S200・その4

ヒヨドリにつつかれて穴を開けられた庭のミカン、もったいないので無傷な半分は食べて穴を開けられた半分はお裾分けとしてベランダの手すりの上に置いておいたのだが鳥が全然寄り付かない。やっぱり一旦人間の手が触れるとダメなんだろうか、と思って二週間ほど放置していたら今日の午前中、急に置いてあった全部を鳥に食べられてしまって驚いた筆者のお送りする世界のカードモデル最新情報。
本日はポーランドの名門MODELIK社の新製品、ポーランド ディーゼル機関車 S200の続き。

S200 okladka

前段階が長すぎてキットの機関車までたどり着く前に年を越してしまったが、前回はソビエトが機関車の電気化/ディーゼル化を進める過程で入れ替え用ディーゼル機関車ТЭМ1をいっぱい作ったよ、ってところまで。

当初はまぁ入れ替えようだから非力なТЭ1の転用でいいか、とТЭМ1を2千輛も作ってしまったのだが、冷静になって考えてみたらやっぱり1000馬力のТЭМ1は非力だった。
さらに列車編成は長く、重くなっており1950年代終盤にはもぅマヂ無理……という感じだったのでТЭМ1の後継として1200馬力ПД1エンジンを搭載したТЭМ2が登場する。
ТЭМ1とТЭМ2の差は主に内部の機構の更新なので外見上の差はあまりない。素人考えでは200馬力増えただけでそんな違うもんなのか? と思うのだが、単なるエンジン出力だけでなくТЭ1の転用だった内部機構も、入れ替え機関車用にさらに洗練されているのだろう。
こうして作られたТЭМ2は入れ替え機関車のニーズにばっちり合致しており、一旦「これぞ決定版」となったらとことん生産する共産圏のパターンに則って、なんと2000年まで生産が続いた。
生産が長期間に渡ったためにサブタイプもやたらと多く、おまけに古くなったら衛星国にドンドコ供与したこともあってТЭМ2の生産数は資料によって差が大きく、総生産数は6225輛~1万輛というなんかすごい雑な数字しかわからなかった。

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Wikipediaからの引用で(この項、キット写真以外全て同様)2013年に撮影された現役のТЭМ2。車体番号がТЭМ2-5030なので5030番目に生産された車両か。まだ生きている車両の割には状態が良く、やたらキレイな車両だ。

そんなわけで勢いにのってバンバンТЭМ2を生産していたソビエトだったが、全ソビエトの機関車を蒸気機関車から更新するにはさすがのソビエトの生産能力をもってしてもまだまだディーゼル機関車がたりなかった。
そこでソビエトは共産圏の鉄道車両製造会社に「このオラに ほんのちょっとずつだけ機関車をわけてくれ……!!!」と語りかける。この声に応じて手を上げたハンガリーから購入したのがВМЭ1(Ganz DVM-4)だった。

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サンクトペテルブルグのロシア鉄道博物館に展示されているВМЭ1-043。「В」はハンガリーのロシア語表記「ヴェングリヤ(Венгрия)」の頭文字で、「1」は外国製入れ替え用ディーゼル機関車1号であることを示している。
車体の先頭にキャビンがあったり、エナジーボンボンみたいにヘッドライトが妙にデカかったり、可愛らしい感じの車両だがエンジン出力がたったの600馬力しかなかったために用途が限られておりВМЭ1は少数の調達に終わった。というか、1000馬力で非力だったんだから調達する前に600馬力じゃロシア広軌の車両には使えないって気がつこうよ。

ガッカリ機関車だったВМЭ1のことはあっさり忘れて、二番目にやってきたのが東欧きっての技術力を誇るチェコスロバキアで開発されたスコダT435.0で、ソビエトはこれをЧМЭ2として採用する(「Ч」はチェコスロバキア(Чехословакия)の頭文字)。

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モスクワ近郊で2006年に撮影されたЧМЭ2。これまた妙にパリッとしたペンキ塗りたてっぽい塗装だ。
運転台が奥にあるが、手前が車体の前側になる。以前に「ロシアの入れ替え用ディーゼル機関車は運転台と連結器を近づけるためにキャビンが車体前寄りになった」と書いたが、こうやって牽引して使うのなら逆に運転台は後ろ寄りでなければならない。ということは、入れ替えの際にТЭМ2は「押し」で、ЧМЭ2は「引き」で使うのだろうか。

ロシア人みたいに、こまけぇこたぁいいから馬鹿力で一気にやっちまえという大雑把な発想は他の東欧圏の国にはないので、ТЭМ2もエンジン出力は750馬力と期待はずれだったが、なにしろ戦車をライセンス生産させても本国ソビエト製よりもクオリティの高いものを仕上げてくるチェコスロバキア工業界なんで、スコダT435.0は品質がよく抜群の信頼性を誇った。
そこでソビエトはスコダに「もっと強力な機関車作ってみて」と依頼、これに応えるためにスコダはT435.0をヤケクソ気味に拡大パワーアップ、エンジン出力1350馬力としたT669を開発する。

モスクワに送られたT669をテストした結果、大満足したソビエトはこれをЧМЭ3の名前で採用。スコダに「どんどん作って」と指示して1965年から生産が始まり1973年に1000輛目、1975年に2000輛目、1985年に3000輛目が完成する。
この怒涛の大量生産はソビエトの需要を満たしてさらに余裕があり、共産圏の多数の国がT669を採用している。

それでは、ここに到達するまで長かったがスコダT669の姿をMODELIK公式ページの完成見本写真で見てみよう。

S200 fot3

全体的に完成後に塗装されているが、背景の木と相まってなんだか博物館の展示車両みたいな雰囲気の写真だ。
アクセントとなっている黄色く塗られた長い手すりはヘニョっているとガクンとクオリティ下がって見えてしまうので、真鍮など固めの金属線でキッチリと再現したい。
なおキットでは車体内部は運転台のみ再現されており、エンジン、発電機は省略されている。また、たぶんレールと枕木はキットに含まれないと思われる。

S200 fot1

この車両はポーランド国鉄(PKP)所属の車両で、車体番号はS290。
ポーランドはT669を「S200型」として採用。車体番号は「S200」がなくて、S201から割り振られたが、100輛超えて300になっちゃうと別タイプの機関車と勘違いされるのでS299の次はS2100になった。

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T669はあまり逆進の事は考えられていないようで、運転台は前向き(画面右)にしかない(反対向きは座席のみで操作盤がない)。
ポーランドはS200を143輛チェコスロバキアに発注したが29番目と30番目の2輛はポーランド到着前に不具合が見つかりチェコが引き取っている。また最後の2輛も理由は不明だがキャンセルされており、最終的に納入されたのは139輛だった(これ以外に6輛の中古機関車をチェコから購入している。これら中古車両は「S200-302」、「S200-529」、「S200-512」など他のS200型と連続していない番号が振られており、どうやらチェコ在籍中の車両番号を引き継いだようだ)。
(その5に続く)
次回、T669のその後をざっとまとめて完結の予定。

キット表紙画像はMODELIK社サイトからの引用。



参考ページ:
https://ru.wikipedia.org/wiki/ТЭМ2
https://ru.wikipedia.org/wiki/ВМЭ1
https://ru.wikipedia.org/wiki/ЧМЭ2
英語ページも参考とした

その他の参考ページは最終回にまとめて掲載予定。

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